カメラは用途によって最適解が変わる。軽さを優先、画質を優先、状況に応じて製品を選択すべきだ。そこで今回は自分なりの三脚を選ぶポイント、スペック表の見方を書いてみようと思う。
三脚で重要視するポイントは、耐荷重、縮長、全長、重量、クイックシューの有無の五つ。それ以外のスペックは重要でない。と言い切る理由から先に書こう。
まずは雲台。自由雲台と3WAY雲台があるが、正直どちらでもいいと思う。自分はそれぞれ一台ずつ持っているが、どちらが操作性がいいか、どちらが便利か、その違いを感じることができない。用途に応じて使いわけるほどの差はない。強いて言うなら、自由雲台タイプの方が軽量かつコンパクト化できるので、重要視する縮長や重量に影響があるぐらいだろうか。
次に脚のロック方式。これは慣れが大きい。どのタイプを選んでも大きな差はない。慣れ。その一言で片付いてしまう。水準器も重要ではない。最近は水準器搭載しているカメラもあるし、搭載していないモデルならグリッド線を入れることである程度水平を計ることができる。そもそも手持ち撮影のときに、自分の感覚で水平をとっているわけだ。付いていれば便利だろうが、あったからと言って使うこともあまりない。パイプの太さや材質だが、パイプの太さ=メーカーが推奨する耐荷重、材質=重量と言い換えることもできるからこの2項目も無視してよい。そう考えていくと冒頭の五つの要素に集約されていく。
全長で大事なポイントはEV(エレベータ)方式の分は考慮しないこと。実際に家電量販店で様々なモデルを試したが、EV方式は心もとないものばかりだった。コンデジを載せるならいいが、どんなに軽いモデルでも一眼レフで使用する場合は、EV方式込みの全長は考慮しない方がいい。
縮長と重量は携帯性において重要になる。縮長は手持ちのかばんに入るか否か、重量は機動力と相反する項目だからだ。カメラ本体にも言えることだが、どれだけ高性能なカメラでも持ち運ぶのが億劫になるようなら意味がない。ちょっとしたお出かけの際に気持ちの負担にならないカメラが望ましい。三脚も同様で、重くて持ち運ばなかったら、宝の持ちぐされ。ちょっとした記念写真が撮れなくなる。まぁ、近くにいる誰かにシャッターボタンを押してもらうように頼んだらいいだけだが。
最後に三脚で最も重要な項目、耐荷重だ。口コミ掲示板やAmazon等のレビューを見ていると、誰の意見を参考にしたらいいのかわからなくなる。ポイントは、三脚をどのような用途で使うかだ。同じレンズとボディで使用する場合でも、星空を撮影する場合とセルフタイマーで家族の記念撮影をする場合とでは大きく異なる。前者であれば30分間ビクとも動かない三脚が必要になるだろうし、後者であれば手を離して20秒程度静止していればいい。
また、縦位置で撮るケースと横位置で撮るケースでも異なる。縦の構図の写真を撮る場合は全重量が雲台にかかるから、ネジが少しでも緩いと重さでカメラ位置がズレてしまう。横写真メイン、記念撮影のポートレートでの使用、このように利用用途が限定されている私の場合、下記のモデルでも何も問題なく利用できるのだ。
EOS 6D+EF 24-70mm F4L ISの組み合わせで約1.4Kg。メーカーのスペック的にはギリギリだが、使っていてなんら問題はない。星空の撮影を試していないが、十分耐え得るだけの頑強さだと思う。この三脚、重さは800g、縮長は35cmであり、軽くて小さく普通のリュックサックに入るサイズだ。やっぱり三脚は持ち歩いて使ってなんぼ。同じベルボンの自由雲台の三脚を所持しているが、重さも長さもワンランク上のため、P-MAXを購入以降出番がなくなった。
三脚を使って野鳥や風景を撮影する場合でも同じことが言える。風の影響等で仮に少しぐらいぐらっと動いたとしてもカメラの側にいるわけだし、すぐに手で支えたらいいだけだろう。ぐらつくことが許されない星空撮影などを除けば、それほど重くて頑強なモデルを購入する必要はないと思う。