レンズ交換式カメラの特徴は何と言っても「被写体やシチュエーションに応じたレンズの交換」だ。メーカー純正のものから、サードパーティ製のものまで多数のレンズが販売されている。その中でもCanonユーザーの憧れは赤いラインの入ったLレンズと白い望遠レンズ(通称白レンズ)だろう。焦点距離やズームor単焦点の違いで多数のレンズが発売されているが、ユーザーが麻雀の役に例えて「小三元」と「大三元」と呼ぶレンズがある。
小三元(大三元)とは、広角、標準、望遠のズームレンズを全て揃え、あらゆる画角に対応できる状態のことを言う。広角とは16-35mm(17-40mm)、標準とは24-70mm、望遠とは70-200mmの事を指す。小三元とはF4通しのレンズを指し、大三元とはF2.8通しのレンズのことを言う。役の名の通り、大三元は画質が最上級のものだ。だがその分、小三元よりも値段は高いし重いのが難点。
【小三元レンズ】
画角 | レンズ名 | 重量 | Amazonの価格 |
広角 | 16-35mm F4L IS USM | 615g | 127,362円 |
広角 | 17-40mm F4L USM | 475g | 91,400円 |
標準 | 24-70mm F4L IS USM | 600g | 112,980円 |
望遠 | 70-200mm F4L IS USM | 760g | 123,137円 |
【大三元レンズ】
画角 | レンズ名 | 重量 | Amazonの価格 |
広角 | 16-35mm F2.8L Ⅱ USM | 640g | 188,340円 |
標準 | 24-70mm F2.8L Ⅱ USM | 805g | 200,664円 |
望遠 | 70-200mm F2.8L IS Ⅱ USM | 1,490g | 244,000円 |
小三元の総重量は2kg弱(1,975g)、大三元は3kg弱(2,935g)。合計で1kgも違う。
小三元を全部揃えると本日付のamazonの価格だと363,497円、大三元の場合は633,004円。その差は約27万円。
画質の違いと言っても絞ればあまり変わらない(という評判)ので、F2.8の明るさが必要か否か、その明るさのために倍近いお金を出すか、総重量で1kg重いものを持てるか。そこが判断材料になってくるでしょうか。金銭的に余裕があるならF2.8なんでしょうね。ただ、広角と標準レンズの場合は「手振れ補正」機能の有無の違いもある。値段が安い、ワンランク下のF4LにIS(手振れ補正)が付いている。広角や標準で手振れ補正なんぞ付いてなくても大丈夫だろうという考えはカメラ歴のあるユーザーの考え方。もう少し踏み込んで言うと、”古い”考え方。
昨今のカメラは本体の性能が向上し高感度でも撮影できるようになった。つまり、今までなら手持ち撮影をあきらめるような暗所=三脚が必要な場面でも、手持ちで撮影できるようになった。技術の進歩により、プロアマ問わず「手持ちで撮影する場面」が昔よりも多くなったはずなのだ。そういう今の時代に合わせた機能が手振れ補正だと思う。手振れ補正=望遠、カメラ初心者のためのものという考えは「古い」とカメラ歴八ヶ月の初心者が言ってみる(笑)。
これが私が所有する小三元レンズ。金銭的な問題もあるが、自分の腕(ISが欲しい)と重さを考えて選んだレンズだ。広角と標準については金銭的に余裕が生まれてもF2.8にアップグレードするつもりはない。ズームレンズと侮るなかれ。個人的にはカリカリに解像すると評判のSIGMA Art 35mmの短焦点レンズよりも、純正のズームレンズの方が画質がいいと思う。いずれ別エントリーで書くが、EF24-70mm F4L ISを購入以後、SIGMAを付けることがなくなった。SIGMAのArtシリーズは画質として満足いくものだったが、私が撮った写真で見比べた場合、純正のズームレンズの方が上だった。それだけ今はこの三本のレンズに信頼を寄せています。レンズ沼もそろそろ終わりの予感。残るはナナニッパか100-400mmかエクステンダーx1.4かな(←終わってない)。