EOS 5D MarkⅣ(以下5D4)を購入してから早二か月。すでに4000枚ほど撮りました。6Dからの買い替えだったので最初は5系の操作に戸惑いましたが、随分慣れてきました。二か月使ってレビューってほどではないですが、簡単な感想を書いてみます。
5D4と6Dの決定的な違いはAF
とにかくこれに尽きます。5D4は61点高密度レティクルAF II。性能が桁違いによくなったのは言うまでもありません。だがここで一つ落とし穴があります。性能がよくなったら歩留まりが上がって、いい写真が撮れるようになるかといえば必ずしもそうではありません。6Dは19点のAFポイントを持っていましたが、信頼できるクロスセンサーは中央一点のみ。これを馬鹿にしてはいけない。逆手にとれば被写体や構図に応じて、AFポイントの設定を変える必要がないんです(笑)。AFポイントは中央一点固定。カメラを縦にしても、横にしても、斜めにしても、どんな構図でも中央一点をどう扱うかが重要なわけです。例えるなら5D4は万能ズーム、6Dは単焦点のようなもの。決まった点でしかAFが使えないから、あとは自分が位置を変えるなり、置きピンするなり、”頭と身体を使って”写真を撮る必要があります。よくカメラを勉強したければ初心者は単焦点を使えと言いますが、今ではいきなり5D3を買わずに6Dで良かったと思っています。
では5D4はどうか?
構図を変えたり、ズームしたり、立ち位置を変えると、都度AFポイントを設定しなおさなければなりません。ゾーンAFなどにしておけばいいじゃないかっていうとそういうわけにもいかない。ポートレートの場合、それでは狙った位置にピンを合わせられない。横で2枚、縦に変えて二枚と写真を撮るとき、瞬時にAFポイントを移動させる必要がある。6Dから乗り換えて一番戸惑ったのはこの点でした。「性能が良くなった」「機能が増えた」というのは良い写真が撮れる近道ですが、「操作が複雑になる」「手間が増える」というデメリットも内包しているわけです。でもこれも慣れですけどね。使っているうちに瞬時にポイントを切り替えられるようになります。
AF性能は?
4000枚ほどですが撮りましたが、AF性能は比べ物になりません。6Dとの比較だけでなく、80Dとの比較においても同じ感想です。動体への食いつきもいいし、浅い被写体深度でもバチッとピンが決まります。EF 85mm F1.2LやEF 50mm F1.2Lを開放で試し撮りしましたが、歩留まりはかなり向上している印象です。となると今までためらっていたこのあたりのレンズがほしくなってきますよね(笑)。それはまた別の機会にでも。